2019年6月25日火曜日

迷うとき悩むとき

昨夜はミツバチの巣箱に侵入していた大きな蜘蛛を追い出すのに大変な目にあいました夜宮です。
追い出した後も気になって気になって、睡眠不足。
蜘蛛にすれば一日中暗くて、ご飯は豊富で理想的な環境なんでしょうけどねぇ。
いや、まいりました。

以前、恩師から重度障害のあるお子さんの教育に携わったときの話を伺いました。
その子は目も見えず耳も聞こえず話すこともできず、歩くこともできないお子さんだったそうです。
恩師はいつものように朝の挨拶をしてそのお子さんを迎えました。
お昼の給食時、そのお子さんが給食を食べません。
いつもはとても元気に口を動かすのに一切受け付けないので、
恩師が途方に暮れてると、
いつもそのお子さんを担当している先生が、
「きっと怒ってるんですよー」
恩師は面食らい、なにを怒ってるかを考えましたがわからず、先生に聞いたそうです。
「朝、何か言いませんでしたか?」
「今日もいっぱいご飯食べるんだよって言ったね」
「多分、それですよー笑 女の子ですもん」
恩師は驚愕したそうです。
言葉は伝わってるはずないのに、なぜそれがわかるんだろうかと。
おそらく言葉の意味はわかってなくても、自分にとって不愉快なことを言われたということを理解し、食事をとらないことで怒りを伝える。
自分にできることで精いっぱいの意思を伝えてくる。

恩師は赴任した当初、この子たちにどう教育すればいいのか、すごく悩んだと言ってました。
その件があって、たとえ見ることも話すことも聞くことも出来ずとも、肌や香り。言葉の振動。空気。
子供は感じられる、そのすべてと全身で学べるんだということを退職まで、教育者としての自身の信念とされたそうです。
そしてそれは当店の思いでもあります。この話は深く深く心に刻まれた話でした。
迷う時、悩むときいつも思い出す話です。

『もうろうをいきる』
http://mourouwoikiru.com/

コーヒーの酸味