2020年1月27日月曜日

一杯の時間

今回は手前味噌話を。

昨日夕方ご来店のカメラマンのお客様。
「コーヒーのいれ方がすごくいいですね」と帰り際に一言。
「ドリップしてる間、時が止まったような気がしてました」
と仰っていただき、平静を装いながらお礼を申し上げましたが、
内心ではもっと褒めてください状態でした。
修行が足りません。

ドリップしてる時間の受け止め方は、人によってまちまちです。
まどろっこしぃ! 
という方もいれば、
ドリップしてるのを見るのが好きという方もいます。
興味津々で矢継ぎ早に質問する方、
お連れ様とのお話に夢中で気づかれない方。

3分にも満たない時間ですが、その間ポットを握ってる人間は、
ひたすら珈琲との対話を試みてます。
お客様が入店した時に香った食事の匂いや、常連様であれば会話の中で知りえた体調、
春であるか秋であるか、焙煎して何時間たっているか。
数人でご来店で同じメニューを頼まれたときに、どこに味の照準をあわすのか。
お客様が入店された時から、ドリップは始まっているとも言えます。

時にはじれったい!まだ?遅いわね!と思われるときもあるでしょうが、
お客様の為だけの一杯に気持ち込めておりますので、
温かい目で見ていただくと嬉しいとです。
そして何より、
店も人間も機械もヴィンテージ。いうよりダメージに近いですので、
少々動作がノロいのはご愛嬌と大目に見ていただくと有難いのですが。



コーヒーの酸味